研究課題/領域番号 |
13202033
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40028866)
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研究分担者 |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 核酸類縁体 / オリゴヌクレオチド / デコイ核酸 / BNA / 転写制御 / 遺伝子発見制御 / アポトーシス / 遺伝子ネットワーク |
研究概要 |
デコイ核酸は、転写因子などDNA結合タンパク質の認識配列に見せかけ、本来結合すべきDNAとの結合を阻害する。これらデコイ核酸を活用することにより、特定の転写因子によって支配されていた複数の遺伝子発現を一挙に制御することが可能となり、遺伝子ネットワークの解明に向けた新たな突破口となることが期待できる。我々はこれまでに糖部立体配座を固定した新規なヌクレオシド類縁体(BNA)の開発を行ってきた。本研究では。これらヌクレオシド類縁体を高機能性素子として用いたデコイ核酸を各種合成し、それらの機能評価を行ない、以下のような成果を得た。 [1]BNAをNF-κBの認識配列中へ導入し、合計9種の人工デコイ核酸(BNA-decoy)を合成した。 [2]ゲルシフト法を用い人工デコイ核酸とNF-κBの相互作用について検討した結果、PMAもしくはTNF-αにより刺激したHeLa細胞の核抽出物中のNF-κBと数種のBNA-decoyが効果的に結合することを見い出した。 [3]HeLa細胞にレポータープラスミドと共にBNA-decoyを導入し、レポーター遺伝子の発現制御を試みたところ、PMAもしくはTNF-α刺激により上昇した転写活性をBNA-decoyにより抑制することに成功した。これら転写抑制活性と上記のゲルシフト法の結果の間には明らかな相関が見られた。 [4]NF-κBがアポトーシスからの回避に関わっていることから、アポトーシス誘導時のHeLa細胞におけるNF-κBの活性をBNA-decoyにより抑えたところ、PMAもしくはTNF-α刺激によるアポトーシスの誘導をこれら人工デコイ分子が顕著に促進するという非常に興味深い知見を得た。 S-オリゴにかわる人工核酸をデコイ分子として用い遺伝子発現制御を達成した例はこれまでほとんど知られておらず、今回の成果は世界的にも非常に意義深いものであると言える。
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