研究課題/領域番号 |
13202036
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (80243252)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 核酸類縁体 / オリゴヌクレオチド / アンチジーン法 / BNA / 転写制御 / 遺伝子発現制御 / 三重鎖核酸 / 遺伝子ネットワーク |
研究概要 |
遺伝情報の流れを遺伝子レベルで任意に制御できればどれほどすばらしいことか。これが現実のものとなれば、新規遺伝子の機能解析、遺伝子ネットワークの解明等に大きく寄与できることはいうまでもない。この夢の実現に最も近い方法としてアンチジーン法(オリゴヌクレオチド(ODN)を用いて特定のDNA二重鎖に三重鎖を形成させその機能を阻害する方法)が知られている。しかし、従来のODN類では、標的DNAのホモプリン配列にしか対応できず、しかも三重鎖の形成能が十分でないなど致命的な欠陥が山積していた。本研究では、これら問題点を解決すべく検討を行ない、以下のような知見を得た。 [1]C並びにT塩基を認識する非天然型核酸類縁体として2-ピリドン、2-ヒドロキシベンゼンをそれぞれ選択し、これらを糖部コンホメーションを固定したリボース類縁体へ導入することで、目的とする新規ヌクレオシド類縁体の合成を達成した。 [2]合成したヌクレオシド類縁体をアミダイト化した後にODNへと導入した。さらに、ホモプリン配列中に存在するC並びにT塩基を認識できるか否かについて、融解温度測定実験を行ない検討したところ、期待通りこれらヌクレオシド類は標的配列中に存在するC或いはT塩基と相互作用し安定な三重鎖核酸を形成した。 [3]ルシフェラーゼ遺伝子の発現を指標に、培養細胞系における人工ODN(ホモプリン配列を標的としたもの)の遺伝子発現制御を評価する系を構築した。この系を用い検討を重ねた結果、ホモプリン配列を標的とした場合に人工ODNが遺伝子発現を効果的に抑制する事を見い出した。 本研究では、ホモプリン配列を持つDNA中のCおよびT塩基と効果的に相互作用し安定な三重鎖形成を形成しうる修飾ODNの開発に成功した。これは従来のアンチジーン法に立ちふさがっていた大きな壁をまさに打破したもので、世界的にも非常に意義深い結果であると言える。
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