研究概要 |
1.栽培および野生オオムギ由来の5種類のcDNAライブラリーから,計画班が運営しているシーケンシングセンターで約43,000シーケンスの解析を終了し,約1万のUnigeneを得た.さらに5万クローン程度の解析が進行中で,年度内に完了する予定である.また,Unigeneの作成手法に改良を加えた.さらに,Unigeneから代表クローンを選び出し,DNAマイクロアレイに利用するクローンを選抜した.これらのクローンのblast相同性検索結果に基づき,一部を選抜して予備的なDNAアレイシステムを開発した.これらのcDNA情報を網羅したデータベースを開発中で近日中に公開予定である. 2.国際オオムギESTコンソシアムを形成している米国,ドイツ,フィンランド,英国のプロジェクトと共同でカスタムオリゴアレイを生産することを2002年1月の国際会議で合意し,そのためのデータ解析を開始した.2002年中に約2万個の遺伝子が検出可能なオオムギDNAチップが利用可能となる. 3.農水省イネゲノム研究プロジェクトに了解を得て,当該プロジェクトで作成したイネのESTマップのクローンと本プロジェクトのクローンの相同性を比較してオオムギESTの仮想的なシンテニーマップを作成した. 4.Unigeneに存在するクローンを整列化して,品種間に存在するSNPを確認したところ,352のUnigeneに存在する約1,000個のSNPを検出し,少なくとも66Unigeneに存在するSNPがアミノ酸の非同義置換によることを明らかにした.また,検出したSNPを特許申請した.さらに上記352UnigeneのSNPを含む領域にプライマーを設計し,ダイレクトシーケンシングによってSNPの存在を再確認した.さらに,これらのSNPをマップする方法を確認した.
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