研究課題/領域番号 |
13202065
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
中村 真 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30212103)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | ゲノム / シグナル伝達 / 生理学 / 脳 / 神経 / 味覚 / 発生・分化 |
研究概要 |
味覚受容の一つの特徴は、糖、苦味、塩、酸、アミノ酸、といった各種刺激物質ごとに、独自のシグナル伝達メカニズムを持つことである。本研究の目的は、ショウジョウバエの味覚受容器に発現する遺伝子群を、GAL4/UAS-GFPを利用したエンハンサートラップ法により単離し、個々の味細胞を遺伝子発現により識別した上で、糖受容、塩受容などに関わる遺伝子群を網羅的に解析することである。 本年度の研究の結果、約2000系統の新規P因子挿入個体の解析を終了した。その中から、66系統(3.3%)を脚およ翅の味覚器にレポーターを発現する系統として単離した。66系統の内訳は、ほぼ全ての神経系でレポーターを発現するもの(30系統)、全ての味覚細胞で発現(18系統)するもの、一部の味覚細胞に限定して発現(18系統)するものであった。現在これらのエンハンサートラップ系統を利用した、味細胞の識別および味細胞特異的に発現する遺伝子の単離解析を進めている。これらのなかで、defective proboscis extention response(dpr)と名付けた変異体を用いた解析がひとまず終了した。dprはNaCl°に対する応答が低下した変異体である。dprの発現は末梢感覚器においては味覚神経細胞に特異的である。特に味覚神経クラスターのうち、2つの神経で主に発現している。我々の研究の結果dprの原因遺伝子が新規イムノグロブリンドメインタンパク質であることが証明された。また、Dpr蛋白はホモフィリックな細胞接着因子として働いていることも明らかとなった。ショウジョウバエのゲノム中には19種類のdpr相同遺伝子(dpr2-dpr19)が存在することから、dpr関連遺伝子の機能解析もショウジョウバエの味覚や神経系の機能を知る上で重要な課題となるもと思われる。Dprに関する研究はJoumal of Neuroscience誌に掲載予定である。
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