遺伝学的解析から糖尿病にインプリント遺伝子が関与しているらしいこと、インプリント遺伝子にインスリン関連遺伝子などが多い事から、とう研究では、インプリント遺伝子を組織的に単離することを目的とする。方法としては、インプリント遺伝子はマウスの雄核発生胚と単為発生胚を用いることにより発現の差のある遺伝子として効率的にスクリーニングできることを利用した。インプリント遺伝子のスクリーニングの結果合計12個のインプリント遺伝子を得た。そのうち3つは新規のものでいづれもマウス12番染色体上のヒト染色体14番染色体に対応するローカスにマップされた。最近、upd(14)matつまり14番染色体が2本とも母親由来になった患者でMODYが発症すること、またインプリンティングが関与するらしい2型糖尿病が14番染色体にマップされることが報告されていることから、関連が興味深い。予想外に既知のインプリント遺伝子が多くとれてきたのは発現量を指標にしているためだと考えられる。上記の問題を解決するため今後は新しく開発したメチル化検出DNAチップを用いてメチル化を指標にインプリント遺伝子をスクリーニングすることを試みる。
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