研究課題/領域番号 |
13204038
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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研究分担者 |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 脳血管障害 / ゲノム創薬科学 / DNAチップ / 脳虚血 / 脳血管攣縮 |
研究概要 |
本研究の目的は、世界的に発展されつつあるゲノム創薬科学的アプローチを活用し、ゲノム上の治療関連遺伝子の探索研究戦略を確立することである。具体的には、脳血管攣縮病態および脳血管攣縮の致命的合併症である脳虚血病態における治療関連遺伝子クラスター解析から、新しい創薬ターゲットを探索し、ターゲットバリデーションを確立することである。そこで、我々は、脳虚血病態モデルにおける虚血脳および正常脳からDNAチップを作成した。脳虚血病態の進展、すなわち、脳虚血モデルにおける血管結紮の程度脳血管攣縮モデルにおける自家動脈血注大量を変えることで様々な重症度のモデルを作製し、その後の時間経過等に伴う脳血管、脳を回収した。これらのサンプルからDNAチップに対する各種ターゲットを作成した。虚血脳におけるDNAチップに遺伝子発現変化の検討では、脳虚血病態(重症度、時間経過)に依存した優位な遺伝子発現変化が認められ、脳虚血関連遺伝子を明らかすることができた。脳血管攣縮モデルにおける攣縮脳血管では、新しい治療関連遺伝子としてHeme Oxygenase-1(HO-1)を見出した。一方、臨床的に抗脳血管攣縮作用が確立している治療薬の一部にHO-1の誘導作用を見出した。この作用機序を検討し、cGMP/COの関与が示唆された。さらに、脳血管攣縮に対する新しい創薬ターゲットとして、Heat Shock Protein72(HSP72)を見出した。アンチセンスによるHPS72の特異的な抑制により、脳血管攣縮の増悪を見出した。このことからHSP72が脳血管攣縮における抗攣縮分子であることか示唆された。今後、脳虚血病態に対する治療関連遺伝子に焦点をあてた創薬ターゲットの探索研究戦略により、さらに、新しい創薬ターゲットを見出すことが可能であると考えられる。
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