研究課題/領域番号 |
13204084
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60312112)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 精神疾患 / セロトニン受容体 / 薬理遺伝学 / SNPs |
研究概要 |
1.薬理遺伝学研究目的の精神疾患患者サンプルの収集と整備: 非定型抗精神病薬(精神分裂病約100名)及びSSRI(大うつ病性障害約150名)での薬剤反応性、副作用を検討した検体を収集した。同意が得られた患者からはBリンパ球を株化保存している。薬剤反応性は、非定型抗精神病薬リスペリドンの治療反応性評価はPANSSを、またSSRIフルボキサミンに関してはHAM-Dを用いて計量化した。 2.5-HT受容体遺伝子多型検索同定: サブタイプ2B、4、5A遺伝子のアミノ酸翻訳領域の新規変異検索・同定を行った。アミノ酸置換を起こすcSNPs5個を含む計21個のSNPsを同定し、日本人集団での頻度、連鎖不平衡について検討した。 3.遺伝子遺伝子多型と精神疾患及び薬剤反応性との関連性検討 分裂病患者は変異型であるSer型5-HT_<5A>を正常対照者と比べ有意に多く持っていることを見いだした。リスペリドンの反応性について、HTR2A、DRD2、COMT各遺伝子でのSNPsマーカーと関連性を検討したが、優位な関連の見いだせた遺伝子はなかった。 4.5-HT_<5A>P15S多型の細胞レベルでの分子病態の検討: (1)C6グリオーマ細胞にPro型・Ser型の5-HT_<5A>を発現、受容体の発現量および種々の抗精神病薬への親和性を結合実験を行い検討した。transient発現での^<125>I-LSD結合実験を行い、LSD親和性の違いは認められなかったが、Ser型の受容体発現量はPro型の半分以下であった。安定発現も行い同様の結果を得た。 (2)forskolinで細胞を活性化した場合の5-HT_<5A>受容体数増加や5-HTに対する親和性変化について比較した。Pro型はフォルスコリンによる分化が抑制されたがSer型では分化が誘導された。ミクロフィジオメーターでのフオルスコリン感受性ではPro型・Ser型で差が認められた。 (3)C6グリオーマ細胞にstable transfectionした5-HT_<5A>受容体の活性をミクロフィジオメータ(細胞外pH測定用機器)を用いて測定する方法を確立し、Pro型・Ser型の5-HT_<5A>の機能を比較した。5HT_<5A>への5-HT刺激反応は内因性β受容体と比べ非常に弱く高濃度(100μM)の5-HTが必要だった。結合実験でも5-HT親和性は他の5-HT受容体サブタイプに比較して低く、他の内因性伝達物質がある可能性が考えられた。
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