研究概要 |
(1)IspU及びYojH変異のspoVG-lacZ発現に与える影響 IspU、YojHの各欠損変異と二重欠損変異、ならびにそれぞれの蛋白質のリン酸化状態をmimicするT220D変異のkinA-lacz発現に与える影響については前年度までに明らかにした。今年度はσ^H依存の他のマーカーとして、spoVG-lacZ発現に与える影響について調べた。その結果欠損変異の場合は、kinA-lacZ発現の場合と同様に負の影響を与え、IspUT220D変異の場合には、正の影響を及ぼすことを明らかにした。この結果はIspU及びYojHがσ^H活性を調節していることを強く示唆するものである。また、σ^B活性に負の影響を与えるRsbRT205D変異はspoVG-lacZ発現には何ら影響を与えないことも明らかにした。 (2)IspU及びYojH欠損変異のσ^H遺伝子発現、蛋白質量に与える影響 IspU欠損変異がσ^H遺伝子発現及びσ^H蛋白の蓄積には影響を与えないことを明らかにしているが、今回はσ^H活性に対してさらに大きな負の影響を与えるIspU, YojH二重変異株で同様の観察を行った。その結果、IspU, YojH二重変異の存在下でもσ^H遺伝子発現・σ^H蛋白蓄積には野生株と何ら変化がないことを明らかにした。 以上の結果から、IspU及びYojHがσ^H因子の蛋白質レベルでの調節因子として機能することを強く示唆する結果を得た。
|