研究課題/領域番号 |
13206017
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名川 文清 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10241233)
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研究分担者 |
西住 裕文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30292832)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | V(D)J組み換え / 抗原受容体遺伝 / トランスポゾン / RAG / リン酸化 |
研究概要 |
V(D)J組み換えは、脊椎動物の進化の過程で抗原受容体遺伝子に偶然挿入されたトランスポゾンの切り出し反応を利用したものと考えられており、実際組換え酵素であるRAGタンパク質によって切り出されたsignal-end(SE)がin vitroではトランスポーズすることが知られている。我々は、SEDNAの3'-OH端が、RAGタンパクと形成するSE complex中でリン酸化されていることを最近発見した。このリン酸化は切断後のSEがトランスポーズするのを阻害する。本研究では、この3'-リン酸化の反応機構を明らかにすることを目指しin vitroで解析を進めた。その結果、3'突出末端を持つ二本鎖DNAが基質となってss/ds junctionが切断され、その3'端に生じたリン酸基がSEDNAの3'-OH端に転移することが判明した。3'リン酸基を持つドナーDNAは、そのリン酸基によってSE complexに特異的に取り込まれていることがDNaseIフットプリント法により確認され、転移反応の結果リン酸基を失い3'-OHとなったドナーDNAは、SE complexからすみやかに解離することが明らかとなった。さらに、ドナーDNAの取り込みにRAG1タンパク質が重要な役割を果たしていることが、変異体を用いた解析から明らかとなった。in vivoでは、hairpin開裂後のコーディング末端に3'-突出構造が見られ、実際の組み換えではプロセスされたコーディング末端(CE)がリン酸基のドナーとなっている可能性が高いと考えられる。従って、我々が見いだした31リン酸基転移反応は、一方では挿入変異の原因となるSEのトランスポジションを抑止し、もう一方ではヘアピンの開裂、プロセスによってCEに生じた3'リン酸基を取り除いてligationを可能にするという、極めて重要な役割を果たしている可能性がある。
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