研究課題/領域番号 |
13206039
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原島 俊 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70116086)
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研究分担者 |
金子 嘉信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90161182)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 酵母 / ゲノム / プロテインホスファターゼ / 遺伝子破壊 / 機能重複 / トランスクリプトーム / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
タンパク質のリン酸化・脱リン酸化は、細胞機能の代表的な制御様式である。出芽酵母では約250のリン酸化タンパク質が知られているが、これらのタンパク質が、どのようなリン酸化酵素(PKase)によってリン酸化され、どのような脱リン酸化酵素(PPase)によって、脱リン酸化されるかは知見に乏しい。配列情報から、出芽酵母にはPKaseが117、PPaseが32存在することが知られている。我々は、PPaseのように特定の酵素活性を持つタンパクでは機能重複があることを予想し、単一破壊株だけでなく、全ての組合わせ(435通り)について二重破壊変異株を作製して、その網羅的な表現型解析を行ってきた。本研究は、こうした表現型の検定による遺伝的な解析結果を、表現型が現れる原因である遺伝子発現や遺伝子産物の変化に結び付けることを目的とする。そのため、本研究では、PPase破壊株と野生型株について、トランスクリプトームやプロテオームを比較解析し、それぞれのPPaseによって制御される遺伝子群やタンパク質群の系統的な同定を目指した。まず、単一破壊が致死でない30株について、全ての組合わせ(435株)の二重破壊株の構築を完了した。また、それらの全てが生存可能であること、4組(Δpph21 Δpph22、Δppz1 Δppz2:37oCでの増殖遅延、ΔPtc2 Δmsg5: NaCl、CaCl2感受性、Δptp2 Δmsg5: CaCl2感受性)が、それぞれの単一破壊株で見られない表現型を示すことを見い出した。上記の解析を通じて、異なるファミリーに属するPPase間で、機能重複があることを見い出した。さらに、破壊株が低温感受性増殖を示すYvh1と相互作用するタンパクを、two-hybrid法によりスクリーニングし、機能未知のYph1 (YGR103w)を同定した。野生型株とyvh1破壊株のトランスクリプトームの比較解析から、yvh1破壊株では、解糖系やタンパク合成系遺伝子群の発現が低下していることを見い出した。
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