研究課題/領域番号 |
13206076
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 放射線・アイソトープセンター, 助教授 (70208122)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 分配 / 大腸菌 / プラスミド / 染色体外因子 / 染色体 / ゲノム / バクテリア |
研究概要 |
バクテリアのプラスミドDNAは独自の分配機構により娘細胞へと正確に分配されている。これにはParA、ParBとよばれるDNA結合性タンパクとプラスミド分配においセントロメアとして機能する。この分配過程において、細胞中央部に局在していたプラスミドDNAが複製後、細胞長の1/4と3/4に移動し、細胞が分裂するまでこの位置に局在することが知られている。本研究課題ではParABタンパクの分配におけるこの局在と移動の機構、さらにその局在に関する宿主因子の解析を目的とした。 parAとparB遺伝子どちらか一方でも欠損した場合、どちらも、分配機構を全く持たないプラスミドと同等の宿主細胞保持率に低下する。しかしながら、プラスミドDNAの細胞内局在性は両者で全く異なっていた。parA欠損プラスミドでは細胞端の細胞質部分に位置する傾向にあった。これは、分配遺伝子を全くもたない場合の細胞内分布と同じであった。一方、parB欠損プラスミドは正常な分配遺伝子をもつプラスミドと同様に細胞中央部に局在するが、細胞中央部から1/4,3/4部位への移動が阻害され正常な分配ができなくなっていた。このことからは、ParBタンパク質が細胞中央部の細胞内の特定の位置にparC領域を介してプラスミドDNAを局在させていることが示唆された。このような現象はFプラスミド、P1ファージのどちらの分配機構でも観察されParBの共通した役割と考えられる。 Vibrio cholerae、Deiococus radiodurans染色体ではそれぞれ2組と4組のparAB遺伝子がゲノム解析から見出されている。これら計6組のparAB遺伝子をPCRクローニングして、プラスミドでの分配活性を大腸菌で調べた。こららのparAB遺伝子を持つプラスミドはいずれも容易に宿主細胞から脱落しプラスミドの分配機能は見出されなかった。
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