研究概要 |
TLR3がウイルスのdsRNAをPAMPとして認識し、type 1 IFNを誘導することが判明した。一方、TLR2,TLR4は主にNK-kB/p38 MAPKを活性化する。両者の相違をDNA chip, cDNA subtractionなどの解析法で各種感染に応じた樹状細胞の応答の相違として網羅的にデータベース化することを企画している。以下の成果をえている 1.ヒトTLR1,TLR2,TLR3,TLR6,の抗体を作製した。TLR4の抗体は三宅博士(東大医科研)より入手した。各TLRの相互関係とリガンド応答性の機能解析中である。これらの抗体でヒト樹状細胞を検討した。樹状細胞にはTLR3を多く発現するpopulation, TLR2・4を多く発現するpopulationが存在し、subset-specificのTLR発現プロフィールが示唆された。この結果は樹状細胞が一様の細胞群ではなく、微生物認識において多様性をもつsubsetsの集合であること、RT-PCRなど従来の報告は蛋白発現と相違していることを示唆した。 2.HEK293 cellを用いたreporter gene assayでTLR2/4はNFkB,MAPKのpathwayを優位に活性化した。一方、TLR3はPKR pathwayを活性化した。PAMP/TLRの組み合わせで活性化経路が異なることが示された。 3.個体差についてgene chipで解析を開始した。まだcluster解析、profiling解析を開始した時点なので、個体差を議論できるまでに至っていない。疾患別の樹状細胞応答は次年度の目標とする予定である。
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