研究課題/領域番号 |
13210015
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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研究分担者 |
中野 知之 山形大学, 医学部, 助手 (00333948)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2001年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 神経細胞 / 核 / 情報伝達系 / ジアシルグリセロール / ジアシルグルセロールキナーゼ / リン脂質代謝 / 二次メッセンジャー |
研究概要 |
我々は、イノシトールリン脂質代謝により生じる二次メッセンジャー・ジアシルグリセロール(DG)の代謝酵素であるDGキナーゼ(DGK)について、核移行シグナルとアンキリンリピートを持つIV型DGK(DGK-IV, DGKzeta)アイソザイムの神経細胞における機能的役割を追求してきたが、その研究過程においてIV型DGKと約58%の相同性を示す新しいアイソザイム、DGKiotaをラット脳cDNAライブラリーからクローニングし解析を行った。DGKiotaは、IV型DGKと同様に核移行シグナルとアンキリンリピートを有する1051個のアミノ酸からコードされており、分子量は116kDaと推定された。DGKiotaは脳および眼球に強く発現し、脳内では大脳皮質、線条体、海馬、小脳に遺伝子発現が認められた。さらに我々は、選択的スプライシングにより2つのDGKiotaスプライス変異体が生じることを明らかにし、分子量の大きい順よりDGKiota-1(116kDa), DGKiota-2(92.7kDa), DGKiota-3.(64.4kDa)と命名した。これら3つのスプライス変異体の機能的差異を調べるために、エピトープタグ法により培養細胞内での細胞内局在を調べたところ、いずれの変異体も核移行シグナル領域を含んでいるにもかかわらず細胞質に局在が認められた。混合ミセル法による酵素活性測定では、DGKiota-1の活性を100%とすると、DGKiota-2は約50%、DGKiota-3は0%の酵素活性を示した。以上より、DGKiotaの機能調節にはこの選択的スプライシング機構が関与することが強く示唆された。今後、核移行シグナルを有するIV型DGKおよびDGKiotaに関して、神経細胞における細胞質一核の移行のメカニズム、そしてその機能的役割について精査していく予定である。
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