研究課題/領域番号 |
13210023
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
針谷 康夫 群馬大学, 医学部, 講師 (90165035)
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研究分担者 |
東海林 幹夫 岡山大学, 医学部, 助教授 (60171021)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 痴呆 / 脳神経疾患 / アルツハイマー病 / 老化 / アミロイドβ蛋白 / リポ蛋白 |
研究概要 |
アルツハイマー病(AD)の病態関連分子であるリポ蛋白フリーAβ40/42の病的意義を明らかとするため、健常者(6-105歳)241例、AD(46-102歳)100例、ダウン症患者(1-64歳)178例中のそれぞれ113、100、101例にて全血漿及びリポ蛋白非結合型Aβ40/42を検討した。健常者においては、60歳以降全血漿中に占めるリポ蛋白フリーAβ42の割合を下げ、AD発症のリスクを回避させるリポ蛋白に制御された生理的調節機能の存在を認めた。ADにおいては病初期よりこの調節機構に支障を生じていることが明らかとなった。ダウン症候群における検討では、リポ蛋白フリーAβ40/42の動態変化は脳の超早期病変に対応し痴呆発症前から認められた。即ち、可溶性Aβのリポ蛋白粒子へのassociation障害もしくはリポ蛋白粒子から可溶性Aβのdissociation過多こそが痴呆発症前の病態として重要な意味合いを持つと考えられる。一方、AD脳における脳可溶性Aβ組成の検討でも、血液中と同様リポ蛋白フリーAβの存在が証明された。特筆すべきは脳内ではリポ蛋白フリーAβが圧倒的に増加する質的な変化と、その絶対量の増加という量的な変化を認めた点である。さらに、リポ蛋白フリーAβからの可溶性ダイマー形成も明らかとなり、このリポ蛋白フリーAβ分子種のAD脳における重要性が証明された。今後、リポ蛋白フリーAβ分子種の血液検査で、AD発症リスク予想を視野に入れた定期的な検診体制確立への応用が現実味を帯びてきたと考えられる。
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