研究課題/領域番号 |
13210033
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郭 伸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40160981)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / 筋萎縮性側索硬化症 / 脊髄運動ニューロン / RNA編集 / GluR2 / AMPA受容体 / 神経伝達物質 / Ca2+透過性 |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)に疾患特異的な分子変化であるGluR2 mRNAのRNA編集の低下の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。そのために、(1)ALSの運動ニューロンにおけるGluR2 mRNA編集率の変化の有無、(2)GluR2 mRNA編集を決定するRNA編集酵素mRNA発現量の定量、を目的とした。[材料・方法]凍結保存したヒト剖検脊髄より、lazor microdissector(浜松ホトニクス社)を用いて単一運動ニューロンを切り出し、total RNAを抽出し、LightCycler System (Roche Diagnostics)を用いた定量的RT-PCRをAMPA受容体各サブユニットGluR2およびRNA編集酵素adenosine deaminase acting on pre-mRNAs (ADAR1~ADAR3)について確立した。GluR2 mRNAの編集率はRT-PCR産物を特異的制限酵素で消化し、編集の有無で異なる断片の定量分析により行った。[結果](1)GluR2 mRNA編集率は正常対照ではほぼ100%に保たれていたのに対し、ALSでは、0〜100%と大きくばらついていた。(2)各ADAR mRNAは、灰白質、白質で発現していた。その発現レベルから計算するとGluR2 mRNA編集率と比較するには、数十個の運動ニューロン組織から出発する必要がある。[考察]ALSの運動ニューロンではGluR2 mRNA編集が低下しており、脊髄運動ニューロンの細胞死に大きく関わる分子変化であることが明らかになった。RNA編集を触媒する編集酵素の発現を定量的に測定できる系を確立したことにより、ALSに疾息特異的な、細胞死に関わる分子変化であるGluR2 mRNA編集異常の上流の分子変化を解明する手段を得た。
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