研究課題/領域番号 |
13210074
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
別所 康全 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (70261253)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | bHLH因子 / 転写因子 / ノックアウトマウス / 網膜 / 神経前駆細胞 / アマクリン細胞 |
研究概要 |
我々は本研究におい神経系の多様性獲得のメカニズムを転写因子のレベルで解明することを目的として、bHLH因子に焦点を当てて研究をすすめてきた。これまでにHes1、Hes5、Mash1、Math3、NeuroDなどのノックアウトマウスの解析と、これらの因子をレトロウイルスベクターを使って網膜などに強制発現の実験を行い、以下の結果を得てきた。1)神経前駆細胞が未分化な状態を保ち増殖することに抑制性の転写因子Hes1、Hes5などが必要であること。2)グリア細胞の分化には抑制性の転写因子Hes1、Hes5、Hesr2などが関わっていること。3)神経細胞の分化には促進性の転写因子であるMash1などが必要であること。以上から前駆細胞からグリア細胞、神経細胞への分化のメカニズムは明らかになりつつある。さらに多様性獲得のメカニズムを探るために本年度は神経細胞のサブタイプ決定のメカニズムに焦点を当て解析した。モデル系として神経細胞のサブタイプが容易に見分けられる神経網膜を用いた。促進性bHLH因子Math3とNeuroDのダブルノックアウトマウスの網膜を解析し、アマクリン細胞が欠失し異所性のガングリオン細胞とグリア細胞が増加していることを明らかにした。またレトロウイルスベクターを用いて正常網膜の未分化細胞にMath3またはNeuroDとホメオボックス因子を組み合わせて発現させることによりアマクリン細胞の分化を誘導することができた。以上の結果からMath3とNeuroDは網膜においてガングリオン細胞とアマクリン細胞のサブタイプ決定と神経細胞/グリア細胞の運命決定に協調して関っていることが明らかになった。またホメオボックス因子が分化のメカニズムに関わっていることを示した。
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