研究課題/領域番号 |
13210078
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉村 啓和 京都大学, 薬学研究科, 講師 (80217182)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | βセクレターゼ阻害剤 / hydroxyethylamine型イソスター / aza-Payne転位反応 / O, N-acyl転位反応 / 立体選択的合成法 / コンビナトリアルケミストリー |
研究概要 |
アミロイドβペプチドは、βアミロイド前駆体蛋白質(APP)がβセクレターゼ及びγセクレターゼによって切断されて生じる。βセクレターゼがアスパルチルプロテアーゼであることから、阻害剤のデザインとして、切断部位に、基質遷移状態に基づいたhydroxyethylamine型のジペプチドイソスター(HDI)を含む化合物が有用であると考えられる。今年度著者は、このHDIを含有する化合物の効率的合成法を開発し、種々のβセクレターゼ阻害剤の合成に応用した。まず、通常の有機合成反応で用いられている液相法にて、スウェーデン型APPの切断部位を上記のHDIに変換したユニットを含む化合物をモデル化合物として、以下の反応の開発を行った。我々が見い出した種々の医薬リード化合物の合成に有用な"Aza-version Payne転位反応"と"O, N-acyl転位反応"を鍵基本反応として、HDI含有化合物の立体選択的合成法を確立した。さらに、以上のような合成を固相担体上で行う方法を確立し、これにより、現在コンビナトリアルケミストリー的に、多数の化合物を合成しており、有用なβセクレターゼ阻害剤の発見を目指している。ところで、これらペプチドをリードとする化合物の最大の問題点は、血液脳関門(BBB)の透過性がよくないということである。このことからBBB透過性向上のためには、活性に関与しないアミド結合を疎水性の性質を有するジペプチドイソスターに変換することが望ましいと考えられる。著者は適度な疎水性を有する(E)-アルケン型や(Z)-フルオロアルケン型ジペプチドイソスターの立体選択的合成法を確立しており、このイソスターを導入することにより、BBB透過性の向上が期待できる。しかも、このイソスター導入は、同時に生体内安定性を向上させることにつながり、阻害剤の高活性非ペプチド化が可能である。今後、このような点に留意して有用なβセクレターゼ阻害剤の創製を目指す。
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