研究課題/領域番号 |
13210086
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 宏道 大阪大学, 健康体育部, 教授 (50154092)
|
研究分担者 |
七五三木 聡 大阪大学, 健康体育部, 講師 (20271033)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2001年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | ネコ / 一次視覚野 / 文脈依存的反応修飾 / 皮質内抑制 / GABA / ビククリン / 特徴抽出性 |
研究概要 |
本研究は、刺激文脈依存的な一次視覚野(V1)ニューロン活動の抑制性修飾現象のメカニズムについて、ニューロンおよびネットワークレベルの入出力特性を厳密に解析することにより明らかにすることを目的として行った。具体的には、この抑制性修飾作用の原因として、観察下のニューロンの受容野外に受容野をもち共通の刺激方位、空間周波数などの刺激特徴に反応するニューロン群からなる機能的ネットワークが皮質内GABA抑制をドライブすることによって受容野刺激に対する反応を抑制する、という可能性を実験的に検討した。 実験は、麻酔・非動化したネコのV1ニューロンを電気生理学的に記録し、受容野周囲刺激の呈示により、受容野刺激に対する反応が強い抑制性修飾を受ける細胞において、抑制性神経伝達物質GABAの受容体選択的拮抗薬であるビククリンの微小イオン泳動投与microiontophoresisを行うことにより、局所的に皮質内抑制を遮断したときの効果を調べた。ニューロンの受容野を中心として様々の大きさのサイン波状に輝度変化する縞刺激sinusoidal gratingに対する応答を調べ、ビククリン投与中とコントロール時の刺激サイズ-反応強度関数を比較した。 その結果、皮質内抑制の遮断は、ニューロンの反応性を増強し、また刺激選択性の低下をもたらしたが、24例のニューロンのいずれにおいても、受容野外刺激による抑制性修飾はほとんど影響を受けなかった。このことは、皮質内抑制が修飾現象の主たる原因であるという可能性を否定し、興奮性ネットワークにおける活動低下を示唆するものである。
|