研究課題/領域番号 |
13210106
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
佐野 輝 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30178800)
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研究分担者 |
中村 雅之 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (90332832)
上野 修一 愛媛大学, 保健管理センター, 講師 (80232768)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 有棘赤血球舞踏病 / 神経変性疾患 / 精神症状 / 常染色体劣性遺伝 / 疾患遺伝子発見 / CHAC / chorein / 疾患変異 |
研究概要 |
有棘赤血球舞踏病(chorea-acanthocytosis)は、神経精神症状に加え有棘赤血球症を示す遺伝性神経変性疾患である。遺伝形式は常染色体劣性で、その遺伝子座位は染色体9q21への連鎖が確認されていた。今回我々は、3家系4患者を経験し、遺伝子連鎖解析で遺伝子候補領域を狭め、病因遺伝子をポジショナルクローニング法で同定した。発見した病因遺伝子CHACは新規遺伝子で、コードされる遺伝子産物をchoreinと命名した。Choreinは、3,095個のアミノ酸からなり、24%の親水基を持つアミノ酸から成るpI5.58の蛋白質と予想された。CHAC遺伝子のノーザンブロツトでは、約10kbpの主要なバンドは、神経系のみならず、筋肉、心筋、腎臓など多臓器で発現していた。ヒトゲノム計画で報告された配列NT_008343と合わせて解析すると、CHAC遺伝子は、69個のエクソンから構成されていた。患者は、cDNAでは260bp・遺伝子DNAでは60番と61番のエクソンを含む5,937bpが欠失している変異対立遺伝子をホモ接合性に持ち、この欠失によりフレームシフトを引き起こし、C末端の271残基が形成されず、truncated form(切断型)となることが予想された。100名の日本人、74名のヨーロツパ系の健常対照者では同様の欠失のある対立遺伝子を認めなかったため、この欠失は疾患特異的と思われた。Choreinは、これまで報告されているDrosophila melanogasterのCG2093やCaenorhabditis elegansのT08G11.1、Saccharomyces cerevisiaeのVPS13、Schizosaccharomyces pombe等の構造蛋白質と相同性が高かったが、高等動物ではいまだ確認されていない新規のカテゴリーに属すると考えられた。
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