研究課題/領域番号 |
13210120
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
渡邊 恭良 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40144399)
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研究分担者 |
中村 夫左央 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80271196)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 脳発達 / 神経回路発達 / 機能チェック / 小児自閉症 / ポジトロエミッショントモグラフィー / c-fos |
研究概要 |
脳機能の発達は、回路の発達を意味する。回路形成の分子機構に関しては研究が進展してきたものの、では機能の仕上がりを脳のどこでチェックしているのかという命題に関しては、そのような研究すら見ない。そこで、我々は、究極、機能の仕上がりが回路の仕上がりの唯一の確証であることに鑑み、小児自閉症をはじめとする広汎性発達障害の基礎研究を通して、機能の仕上がりのチェック機構である「脳の中の脳」部分を探し当てることを企図した。配線の異常や機能低下を感知することは、このようなチェック機構の存在を示唆し、配線異常を作る実験パラダイムから、このようなチェック機構に関わる脳部位や分子が抽出される可能性が高い。そこで、脳神経切断モデルを一つの中心的実験パラダイムとして、この分子神経機構に迫り、広汎性発達障害の原因解明の一助としたい。我々は、これまでに、発達過程のサルのPET(ポジトロンエミッショントモグラフィー)計測を目的としたシステム開発、サル・ヒトを用いた脳タスク・シナプス可塑性のPET研究、精神神経疾患の病態・治療に関するPET研究を進めてきた。平成13年度の研究により、脳局所の物理的な破壊とモノアミン系を選択的に部位特異的に生後直後に破壊するパラダイムを開発して、c-fos発現などにより、脳のどの部位の活動が上昇するかについて検討し、これまでのところ、ラット脳前頭葉の1mm程度の局所破壊においては、対側の内嗅領野などにc-fos発現が上昇し、この部分の神経活動の亢進を意味した。このパラダイムを出生直後のラットにセロトニン系の選択的破壊薬である5,7-dihydroxy-tryptamineなどの投与を用いて、現在、追跡中である。すでに、この操作により行動異常の見られる動物ができ、モノアミン系を賦活するテトラハイドロバイオプテリンにより、異常行動が改善されることが判明している。
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