配分額 *注記 |
66,000千円 (直接経費: 66,000千円)
2004年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2003年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2002年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2001年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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研究概要 |
我々のグループでクローニングに成功したパーキン遺伝子の変異解析とパーキン蛋白の機能解析を中心に研究を行った.更にパーキン遺伝子変異陰性の家系について,最近相次いで発見された家族性パーキンソン病の原因遺伝子であるPINK1,DJ-1,LRRK2についても解析を行い,PINK1変異8家系,LRRK2変異10家系,alpha-synuclein変異2家系を発見した.DJ-1変異はなかった.E3ユビキチンリガーゼとしてのパーキンの活性調節に14-3-3蛋白が関与していることを発見した.14-3-3は,パーキンのリンカー部分に結合し,パーキンの活性を抑制している.酸化的ストレスなどでalpha-synucleinの発現が上昇すると,14-3-3蛋白に結合し,この複合体はパーキンから離れ,活性が上昇する.酸化的ストレスの低い所では,alpha-synucleinの高発現がなく,パーキンがinactiveであっても,神経変性は起きないと推定される.黒質においては,高濃度のドパミンのため,酸化的ストレスが強くパーキンを必要とすると考えられた.パーキンノックダウン細胞におけるドパミンの自動酸化物であるドパミンクロームの上昇も明らかにしたが,この所見と一致する.AR-JP脳においては,パーキンの基質蓄積が証明できなのが謎であったが,パーキンがユビキチンのリジン63残基のポリユビキチン化も促進することを見いだし,これはプロテアソムにおける分解シグナルとはならず,パーキン機能探索の新たな入り口になっている.更にalpha-synucleinをAAVベクターに組み込み黒質細胞にトランスフェクトすることによりパーキンソン病のモデルラットの作成に成功し,更に本モデルでの黒質神経細胞死がパーキンのコトランスフェクションで軽減できることを見いだした.これはパーキンソン病の遺伝子治療に応用可能な成果である.
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