研究課題/領域番号 |
13210124
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 表情認知 / 幸福 / 悲しみ / 怒り / 恐怖 / 驚き / 嫌悪 |
研究概要 |
〔目的〕Parkinson病などの脳変性性疾患における表情認知障害の有無を動画表情刺激(VTR)を用いて検討した。 〔対象・方法〕Parkinson病患者16名、健常者67名を対象とした。動画刺激課題では6種類の基本表情(幸福、悲しみ、怒り、恐怖、驚き、嫌悪)を表現している役者のビデオ画像を見せ、それぞれの表情を表す単語が書かれたカード6枚の中から選択させることで、表情認知能力を判断した。その他に、静止画刺激20種類、感情のこもった音声刺激64種類、感情を喚起する内容の文章刺激27種類で検討した。合わせて知能検査として、Min-Mental State Examinationを施行した。 〔結果〕Parkinson病患者は動画刺激を用いての恐怖と嫌悪表情判断について、健常者と比較して低い選択率を示した。また、静止画刺激と動画刺激の表情認知の成績は有意な相関を示した。一方、音声・文章刺激は正常で、表情認知判断と人物異同判断の成績、Min-Mental State Examinationの成績は有意な相関を示さなかった。 〔考察〕Parkinson病患者は、他の表情判断は良好であったにも関わらず、恐怖・嫌悪についての表情認知のみが障害されていたことから、大脳基底核は表情認知において重要であり、表情が複数のネットワークにより処理されることが示唆された。また、表情、音声からの感情認知は知能、視近く機能、気分に影響されず、さらに、Parkinson病患者の"仮面様顔貌"に見られる表情表出障害は、表情の表出面だけではなく、認知面にも障害ある可能性が示唆された。
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