研究課題/領域番号 |
13210130
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
一瀬 宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (90192492)
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研究分担者 |
小島 雅代 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (10340267)
大江 瑞江 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (10247661)
鈴木 崇弘 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (70298545)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 酵素 / 脳神経疾患 / 老化 / カテコールアミン / チロシン水酸化酵素 |
研究概要 |
パーキンソン病は老人に多発し、脳内のドーパミン量は加齢とともに低下していくことなどから、老化とドーパミンニューロンとの関連が以前から指摘されているが、その分子メカニズムは全く明らかにされていない。我々は、ドーパミン生合成律速酵素であるチロシン水酸化酵素(TH)の必須の補酵素であるテトラヒドロビオプテリンに注目して、その生合成酵素をノックアウトしたマウスを作製して、ビオプテリン代謝がドーパミン生合成に与える影響を調べた。ビオプテリン生合成の第2段階の酵素であるピルボイルテトラヒドロプテリン合成酵素(PTS)を、相同組換え法により遺伝子破壊した。出生直後のマウスで、Ptsホモ欠損マウスと野生型マウスとを比較したところ、補酵素の欠乏からカテコールアミンやセロトニン量は著明に低下していた。次に、ビオプテリンを補酵素とするTHとトリプトファン水酸化酵素の活性をin vitroで、補酵素添加状態で測定したところ、トリプトファン水酸化酵素活性は全く変化していないのに対して、TH活性は野生型の10%以下に低下していた。THmRNA量には変化が見られなかったが、ウェスタンブロッティング解析から、著明なTHタンパク質量の低下が観察された。また、この低下は特に神経終末で顕著であった。次に、新生仔マウスにテトラヒドロビオプテリンを腹腔内投与して1時間後の脳内ドーパミン・セロトニン量の変化を調べた。ホモ欠損マウスにおいてセロトニン量はビオプテリン非投与群の10倍以上に増加し野生型マウスの約70%にまで回復した。これに対して、ドーパミン量はTHの減少を反映して増加量が少なく、ビオプテリン非投与群に比べて1.5倍にしかならなかった。我々の結果は、老化に伴うビオプテリンの低下により、ドーパミンニューロン内のチロシン水酸化酵素タンパク質量が減少しドーパミン生合成能力が低下することを示唆した。
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