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ゲノム維持に関わるpRBファミリーの新たな役割-DNA損傷に伴うS期細胞周期停止

研究課題

研究課題/領域番号 13214003
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関北海道大学

研究代表者

畠山 昌則  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40189551)

研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
キーワード癌 / 遺伝子 / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 発現制御
研究概要

pRB, p107ならびにp130から構成されるpRB癌抑制蛋白ファミリーは、E2F転写因子との複合体形成を介して、G1期からS期への細胞周期進行を抑制する。細胞がG1後期の制限点を通過するためには、増殖刺激によるG1サイクリン-サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性化ならびにサイクリン-CDKによるpRBファミリーのリン酸化による不活化が必要不可欠なステップと考えられている。事実、pRBとp130はG0-G1期細胞において強く発現し、細胞周期のS期への進行を能動的に抑制している。これに対し、p107の発現はG1期細胞ではきわめて低く、細胞がG1後期からS期に進行することにより、その発現量が著しく増強する。この事実はp107がG1期以降の細胞周期において何らかの生物学的役割を有している可能性を示唆している。本研究では、サイクリン-CDKによるリン酸化/不活化に対して完全に抵抗するp107分子を作製し、同分子を誘導的に異所性発現するリンパ系細胞株を樹立した。このリン酸化抵抗性p107発現により、細胞のS期進行は強力に抑制された。一方、S期に同調した細胞集団にDNA損傷物質cisplationを作用させることにより、p107が高リン酸化/不活性型から低リン酸化型/活性型に転換されるとともにS期の状態で細胞周期が停止した。さらに、野生型p107分子を誘導的に異所性発現するリンパ系細胞株ではcisplatinによるS期細胞周期抑制は増強された。一方、p107を含むpRBファミリーの活性を中和するアデノウイルスE1A発現により、cisplatinのS期進行阻害効果は抑制された。以上の結果から、p107はS期細胞におけるDNA損傷に応答して活性化される細胞周期ブレーキの機能を有することが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ashizawa, S.: "Collective Inhibition of pRB Family Proteins by Phosphorylation in Cells with p16^<INK4a> Loss or Cyclin E Overexpression"J.Biol.Chem.. 276. 11362-11370 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Kondo, T.: "Involvement of pRB-Related p107 Protein in the Inhibition of S-Phase Progression in Response to Genotoxic Stress"J.Biol.Chem.. 276. 17559-17567 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Higashi, H.: "SHP-2 tyrosine phosphatase as an intracellular target of Helicobacter pylori CagA protein"Science. 295. 683-686 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Yamada, M.: "Role of pRB-family/E2F complex in the inhibition of IL-3-dependent lymphoid cell proliferation"Cytokine. (in press). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2018-03-28  

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