研究課題/領域番号 |
13214019
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野阪 哲哉 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (30218309)
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研究分担者 |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | bcr-abl / pim-1 / STAT5 / CML |
研究概要 |
温度感受性変異株のbcr-ablをIL-3依存性マウスBa/F3細胞株に導入して、Bcr-Ablの活性化誘導系を樹立した。IL-3非存在下で温度変化により、速やかにBcr-Ablが活性化され、Ba/F3細胞は不死化(IL-3非依存性に増殖)した。その際、JAK2、STAT5の活性化に伴い、STAT5の標的遺伝子であるpim-1の発現も強く誘導され、温度を元に戻すとpim-1の発現も消失した。このことは、CML細胞で見られるpim-1の高発現は癌化に伴う二次的なものではなく、Bcr-Abl/STAT5による直接の活性化によることを意味する。Pim-1単独の強制発現により、Ba/F3細胞はPim-1の用量依存性にIL-3非依存性増殖を示し、優勢抑制型Pim-1の強制発現によって、Pim-1によって不死化したBa/F3細胞の増殖は抑制された。これに対して、Bcr-Ab1によって不死化したBa/F3細胞においては増殖が抑制されなかった。以上の結果は、Ba/F3細胞においては、Pim-1の高発現は細胞を不死化するのに十分であるが、Bcr-Ablによる不死化には必要不可欠ではないことを意味し、Bcr-Ablにおける下流のシグナルの多重性、相補性が示唆された。最近、マウスにおいて、Bcr-Ablの発現が白血病発症に必要かつ十分であることが報告されたが、Bcr-Ablにより、種々のシグナル伝達経路が多重に活性化されることは、通常のマルチヒット発癌と異なる、Bcr-Ablによるワンヒット発癌モデルの分子基盤になると考えられた。
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