研究課題/領域番号 |
13214023
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
勝木 元也 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 所長 (20051732)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | Ras / H-Ras / N-Ras / K-Ras / 活性型Ras / トランスジェニックマウス / Cre / loxP |
研究概要 |
Ras遺伝子は、ヒトや実験動物のがんから活性型Rasタンパク質を生じる点突然変異が頻繁に検出される。H-rasは膀胱がん、肺がん、皮膚がん、K-rasは、大腸がん、膵臓がん、N-rasは、血液がんでの変異率が高いことが知られている。本研究では、活性化型H-ras遺伝子を、条件を設定して発現するトランスジェニックマウスを作成し、活性化型H-Rasの発がんにおける役割を、分子生物学的に解析した。 活性型H-ras遺伝子の、プロモーター領域にloxP配列で挟んだ、スペーサー配列を設定して、Cre遺伝子を持つ別のトランスジェニックマウスと交配した時のみに活性型遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作成した。このマウスは、正常に成長し、寿命も、正常のマウスと比較してほぼ同じであった。しかし、Cre遺伝子を、カルモジュリンキナーゼII遺伝子のプロモーター支配下に発現する遺伝子導入トランスジェニックマウスと交配した結果、四肢の掌や、顔、などに大きな乳頭腫が発生した、この乳頭腫を調べたところ、すべてにおいて、導入遺伝子のスペーサー領域がCreによって失われており、しかも、活性型H-Rasが発現していた。一方、本来このマウスにおいてCreが発現している、脳の海馬では、確かに活性型H-Rasが発現していたに拘わらず、組織の増成は認められなかった。以上のことから、組織によって、H-Rasの活性化が直接細胞の増殖を促すものと、海馬のようにH-Rasの活性化だけでは細胞の増殖に結びつかないものもあることが明らかとなった。 現在、一旦、がん化した細胞にCre遺伝子を導入して、がん化が消えるか否かについて検討中である。
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