研究課題/領域番号 |
13214066
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西連寺 剛 鳥取大学, 医学部, 教授 (10117351)
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研究分担者 |
伊澤 正郎 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50032222)
貝原 信明 鳥取大学, 医学部, 教授 (70037406)
井藤 久雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (60127610)
星川 淑子 鳥取大学, 医学部, 助手 (10181489)
佐藤 幸夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (70144657)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | EBウイルス / 胃癌 / EBウイルス再活性化 / EBウイルス感染細胞株 / 一酸化窒素(NO) / EBウイルスゲノムの脱落 / TGF-β1 / シグナル伝達 |
研究概要 |
1.胃癌に於けるEBV感染の解析:(1)胃癌組織21例中3例にEBV感染が検出された。これらの3例では、それぞれ個有の単一環状EBVDNAが検出され、EBV胃癌の特徴である潜在感染I/II型で、ウイルス複製を示す線状EBV DNA及び再活性化遺伝子の発現が見られた。胃癌に於いてEBVは完全な潜在状態と言われていたが、本研究によってEBV再活性化・複製を伴うことを明らかにした。(2)EBV感染胃癌に於いてEBV前初期遺伝子BZLF1の第1イントロンに局在する遺伝子変異を見出した。EBV再活性化と関連して、EBV感染胃癌に共通して見られるBZLF1領域の変異は胃癌に於けるEBV再活性化との関連や、胃癌では、このような遺伝子型を持つEBVが関わる可能性を示唆した。 2.PT及びPN細胞株の解析:我々は1つの胃癌組織の癌部からPT,非癌部からPNというEBV感染細胞株を樹立し、それらの性状を解析した。PTはその起源である胃癌と同様一部の細胞にのみ:EBV感染が限局し、潜在感染I型を示した。PNは全ての細胞がEBV陽性で潜在感染III型で、EBV再活性化が見られた。PT及びPNとも軟寒天内コロニー形成能、SCIDマウスで未分化の腫瘍形成能を有していた。PTはSCIDマウスで連続した継代が可能であったが、PNは3回の継代でとだえた。ウイルス学及び腫瘍学的性状からPTは胃癌細胞由来、PNは非癌細胞由来と考えられた。 3.胃組織由来EBV感染上皮系細胞株GT38及びGT39に於けるEBV遺伝子発現の制御機構:(1)GT38及びGT39細胞で産生されるNOがEBV再活性化を抑制することを証明した。更にTPAはiNOSの発現を抑制することを見出し、その抑制は、TPAからのキナーゼC及びMAPKによるNFκ-B及びAP1活性化するシグナルを介することを明らかにした。(2)GT38及びGT39細胞は、多量のTGF-β1を産生し、TGF-β1による増殖抑制及びアポトーシスに対して耐性を示し、その高濃度では:EBV再活性化が誘導されることを見出した。TGF-β1による細胞増殖抑制の耐性機構として、TGF-β1/MAPK/p21経路を介するシグナルの伝達異常を見出した。(3)GT38、及びGT39細胞を長期継代培養すると、EBV再活性化能が消失し、内在EBVゲノムの減少・脱落が起ることを明らかにした。
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