研究課題/領域番号 |
13214088
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
阪口 薫雄 熊本大学, 医学部, 教授 (70192086)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | B細胞 / T細胞依存性抗原 / S6キナーゼ / rapamycin / 胚中心 / 液性免疫反応 / 生体防御 / シグナル伝達 |
研究概要 |
B細胞の抗原刺激を伝達する経路のうち、ribosomalタンパク質のリン酸化を誘導して細胞のタンパク合成を制御する経路として免疫抑制剤ラパマイシン感受性のBCR/mTor/alpha4+PP2Ac/S6キナーゼの信号伝達経路を検証した。alpha4分子をconditionalに欠損させたB細胞はその増殖機能を低下させ、ことにB細胞クローンの増大を必要とするT細胞依存性抗原に対しての反応が著しく障害された。alpho4分子が細胞増殖におけるS6キナーゼの重要な制御分子であることを明らかにした。B細胞の抗原依存的反応において、alpha4分子/mTor/PP2Ac/S6Kの関与するタンパク質合成賦活化経路の存在は必須なものであることが示された。alpha4遺伝子欠損B細胞では著しく抗原レセプターシグナル、IL-2刺激に対して増殖反応が低下していた。さらに、この遺伝子変異B細胞における抗原刺激によって誘導されるS6キナーゼの活性化を調べた、alpha4がS6Kの活性化に関わっていることが示された。alpha4遺伝子欠損マウスの免疫応答を解析した。T細胞非依存性抗原に対する反応をTI-2抗原であるTNP-LPSを免疫して解析した。TNP抗原特異的な各アイソタイプの抗体を調べたところ,軽度alpha4分子欠損で低下していた。T細胞依存性抗原TNP-KLHで免疫したところ、TNP特異的IgG1抗体の産生が著明に低下していた。このマウスにおける胚中心形成を調べたところ、IgMを発現するB細胞が集積しているものの、成熟したIgG陽性の胚中心形成が見られなかった。そこで抗原で免疫したマウスの脾臓B細胞のV領域遺伝子の突然変異の頻度を調べた。alpha4分子の欠損によって著しく抗原特異的な親和性の成熟に障害が見られた。この結果はalpha4分子を介する抗原信号がT細胞依存性の液性免疫応答に重要な機能を果たしていることを示した。
|