研究課題/領域番号 |
13214104
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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研究分担者 |
古田 里佳 関西医科大学, 医学部, 助手 (80309244)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | HTLV-1 / Tax / ATL / DNAワクチン / レトロウイルスベクター / 転写抑制 / CpGメチル化 |
研究概要 |
HTLV-1の複製およびATL発症に関与するTax蛋白は、個体内において高いCTL誘導能を示し、抗Tax免疫が個体レベルでの発症制御因子になっていると考えられが、感染者体内ではウイルス発現は抑制されており、これを培養系に移すと短時間で発現が再開されることから、ウイルス発現と個体免疫との間に動的平衡が成立していると解釈される。そこで、個体レベルでの感染細胞増減のモデル系を確立することにより、DNAワクチンを用いたATL発症予防ワクチンの可能性を検討した。 Tax依存的な転写活性化を再現する目的で、転写調節領域にHTLV-1 LTRを持ちGFPとTaxとの融合遺伝子(Gax)を組み込んだレトロベクターを用いて作成したEL-4/Gaxをマウス皮下に移植し、Tax発現プラスミドDNAの筋肉内投与によるワクチン効果を解析したところ、抗TaxCTLの誘導を伴う腫瘍抑制効果を示した。また、増殖抑制を受けたEL-4/Gaxは、低レベルのGax蛋白を発現しつつ個体内で維持され、Gax発現と抗Tax宿主免疫とが平衡状態にあることが強く示唆された。EL-4/Gaxを腹腔内に移入した場合も同様にGax遺伝子の細胞レベルでの発現が抑制されたが、これをin vitro培養系に移行したところ数時間で発現を再開し、HTLV-1感染者個体内・外におけるウイルス発現と類似した動態を示した。この転写抑制における転写調節領域のCpGメチル化の関与を検討したところ、抑制状態ではほとんどのCpG塩基配列において約60%の高頻度のメチル化が確認されたのに対し、in vitro培養で発現が回復した細胞においては、一部を除いて30%程度までメチル化頻度が減少し、抑制と再活性化にCpGメチル化が関連していることが強く示唆された。
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