研究課題/領域番号 |
13214108
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
高木 康光 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20212003)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | アルキル化剤 / DNA修復 / アポトーシス / 遺伝子欠損マウス / 遺伝子欠損細胞株 / 突然変異 / 培養細胞 |
研究概要 |
これまでの研究でMgmtとMlh1の各遺伝子を欠くマウスを作製し、さらに両者を交配してMgmtとMlh1遺伝子を共に欠損するマウスをつくることができた。各系統とも少なくとも10回のバッククロスをおこなって遺伝的背系をほぼ均一化することができたので、これらのマウスの肺の組織から細胞を採取し、SV40由来のトランスフォーミングベクターを移入して株化することに成功した。これらの細胞株を各種濃度のアルキル化剤MNUとMNNGで一定時間処理した後、生じるコロニー数を調べてアルキル化剤感受性のレベルを測定した。その結果、Mgmt^<-/->Mlh1^<+/+>細胞は野生型(Mgmt^<+/+>Mlh1^<+/+>)細胞に比べ著るしく高い感受性を示すことがわかった。それに対しMgmt遺伝子の有無にかかわらずMlh1^<-/->株は野生型細胞よりさらに高い抵抗性を示し、またMgmt^<-/->Mlh1^<+/->株はMgmt<-/->Mlh1^<-/->株と同じレベルの高いMNU抵抗性を示すことが認められた。野生型株がMlh1^<-/->株よりも感受性が高いのは、SV40のT抗原によってMgmt遺伝子の発現が抑えられたことによって起こる可能性があるので、野生型株にヒトMgmt cDNAを移入してMgmt遺伝子産物(修復メチルフェラーゼ蛋白)を多量にもつ細胞株を作製して調べたところ、そのMNU感受性レベルはMlh1^<-/->株とほぼ同一となることがわかった。細胞を1mM MNUで1時間処理して誘導突然変異の出現頻度をみると、野生型株では未処理の時とほぼ同じ値を示したがMgmt^<-/->Mlh1^<-/->株ではMNU処理によってほぼ10倍の上昇がみられた。Mgmt^<-/->細胞をMNUで処理するとアポトーシスの遂行に関わる酵素カスペース3が誘導されるがMgmt^<-/->Mlh1^<-/->細胞ではMNU処理後にもカスペース活性の上昇は認められないので、アポトーシスに至る過程にミスマッチ認識タンパク系(MLH1やMSH2など)が関わっていると考えられる。
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