研究課題/領域番号 |
13214116
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
山田 哲司 国立がんセンター, 研究所・腫瘍プロテオミクスプロジェクト・リーダー, 室長 (30221659)
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研究分担者 |
廣橋 説雄 国立がんセンター, 研究所, 所長 (70129625)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | APC / TCF4 / GeneChip / β-catenin / Wntシグナル / 大腸発がん |
研究概要 |
家族性大腸腺腫症の原因遺伝子として同定されたAPC(adenomatous polyposis coli)癌抑制遺伝子の変異は家族性大腸腺腫症のみならず、散発性大腸癌の発癌過程においても最も早期に起こり、かつ高頻度な遺伝子異常である。APCの変異はβ-cateninの細胞内蓄積をもたらし、TCF/LEFファミリーの転写因子の活性化を誘導する。APCの変異が腸上皮幹細胞に生じた場合にβ-cateninの細胞内蓄積によって分化の抑制等の細胞生物学的な変化が生じ、初期の大腸腺腫を形成し、さらに2次的な多段階の遺伝子変異を経てがん化に至るものと考えられている。本研究では多分化能を有する未分化腸上皮細胞IEC6からretroviral gene transferを用い、テトラサイクリン投与にてGSK3-βによる燐酸化部位を欠き安定化したβ-cateninΔN89を誘導できるIEC6 Tet-OFF β-cateninΔN89を樹立した。Affymetrix GeneChip rat genome U74A-C arrayにて網羅的な遺伝子発現解析を行い、以下の結果を得た。 1)β-cateninΔN89誘導72及び96時間後に2度づつ、合計4回行った発現解析の結果によい再現性が得られた。 2)Cyclin D1,Axil等の既にWntシグナル伝達系に関わる事が知られている遺伝子が同定できた。 3)定量的RT-PCRにてGeneChipによる発現増減の結果が確証された 4)発現の変化した遺伝子の中にpromoterにTCF/LEF結合のconsensus sequenceを持つものがあった。 さらにWntシグナル伝達系との関連が指摘されていない遺伝子、未知の遺伝子ESTについて検索を進め、β-cateninの細胞内蓄積によって変化する遺伝子発現の全体像を明らかにする計画である。
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