研究課題/領域番号 |
13214118
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
北林 一生 国立がんセンター研究所, 白血病とクロマチン制御プロジェクト, 室長 (20261175)
|
研究分担者 |
横山 明彦 国立がんセンター研究所, 白血病とクロマチン制御プロジェクト, リサーチレジデント
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
キーワード | 白血病 / ヒストンアセチル化 / 細胞分化 / 転写因子 / 染色体転座 / MOZ / AML1 |
研究概要 |
ヒト白血病では高頻度に特異的な染色体転座が見られ、この中でAML1遺伝子はその最も高頻度な標的である。AML1の機能を調べるため、AML1複合体を精製した。その結果、CBF/PEBP2βやp300/CBPの他にMOZなどのいくつかの因子がAML1のC末端の転写制御ドメインを介して複合体を形成することが示された。MOZはヒストンアセチル化酵素であることから、AML1依存性の転写活性化への影響を調べたところ、MOZはAML1と複合体を形成して転写を活性化することが示された。MOZによるAML1の転写活性化にはMOZのAML1結合領域・転写活性化領域・核内局在領域を必要としたが、HATドメインは必要としなかった。一方、急性骨髄性白血病でみられるt(8;22)転座により生じるMOZ-CBPはAML1による転写活性化を顕著に阻害し、この阻害にはCBP領域のHATドメイン及びプロモドメインが必須であった。AML1/MOZ複合体の量はマウス骨髄性細胞M1の分化に伴って増加することから、AML1/MOZ複合体は細胞分化において重要な役割を担っていると考えられる。逆にMOZ-CBPのを強制発現させるとM1細胞の分化は阻害されることが示された。これらの結果から、MOZ-CBPによるAML1複合体の機能阻害が白血病発症の主要な原因の一つであると考えられる。また、AML1複合体を構成するCBF/PEBP2β、MOZ、p300/CBPは、すべて白血病で見られる染色体転座により融合蛋白質を生じることから、AML1複合体の機能異常が白血病発症の主要な原因の一つであることが示唆される。また、MOZは癌抑制遺伝子産物p53とも結合してp53による転写を活性化し、MOZ-CBPは転写を抑制することが明らかになった。
|