研究課題/領域番号 |
13216023
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山梨 裕司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40202387)
|
研究分担者 |
白形 正樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70251551)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | 白血病 / シグナル伝達 / アダプター / チロキシンナーゼ |
研究概要 |
Dok及びその類縁蛋白質Dok-2はチロシンキナーゼ活性を持つ癌遺伝子産物の基質であり、PHドメインとPTBドメインを持つマルチアダプター分子である。両者は血液系細胞に高く発現し、ヒト慢性骨髄性白血病(CML)患者の血液幹細胞においては、癌遺伝子産物Bcr-Ablによって強くチロシンリン酸化される。前年度までの本研究から、Dokが細胞の増殖やトランスフォーメーションに抑制性のシグナル分子であり、同時に、Ra/MAPキナーゼ系の抑制因子であることが判明した。本年度は、Dok、Dok-2欠損マウスにおける血液系細胞の増殖異常や、CMLモデル系(bcr-ablトランスジェニックマウス)へのDok、Dok-2欠損の導入実験等を計画した。 1.Dokが細胞増殖を抑制することから予想されるように、その欠損マウスには16から18ヶ月齢の時点で脾臓の腫脹を呈するものが出現した。他方、その様な異常はDok-2欠損マウスには認められなかったが、Dok/Dok-2二重欠損マウスは、5から10ヶ月齢の時点で、高頻度に脾臓の腫脹を呈するようになり、腫脹した脾臓においては白脾髄の過形成と赤脾髄における髄外造血が認められた。また、そのように腫脹した脾臓においては顆粒球様細胞の過増殖が観察された。現在、この過増殖細胞の性状を詳細に検討するとともに、その過増殖の分子機構について解析を進めている。 2.Bcr-ablトランスジェニックマウスとDok、Dok-2欠損マウスとの交配については、現在、トランスジーンを有する欠損マウス(単独、二重とも)が生後数週齢に達しており、間もなく血液成分の分析が開始される。 3.Dokの作用機序については、我々の予想に反して、rasGAPとの会合やRasの抑制に依存せずにMAPキナーゼを抑制できることが報告された。現在、この抑制に必要な会合分子に関する解析を進めている。
|