研究課題/領域番号 |
13216031
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 博文 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70313088)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2001年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 癌抑制遺伝子 / p53 / 転写因子 / 標的遺伝子 / マイクロアレイ / 遺伝子治療 / アポトーシス / 細胞周期 |
研究概要 |
癌抑制遺伝子p53はあらゆる種類の癌において、その半数以上に変異の検出される転写因子で、その標的遺伝子の転写活性を制御することによつて癌抑制機能を発揮する。 癌発症の機序解明と有効ながん治療法の開発のためにはp53の生理機能の全貌解明が最も重要であり、そのためには全p53標的遺伝子の単離が不可欠と考えられる。アデノウイルスに組み込んだp53遺伝子の導入により顕著なアポトーシスが誘導される3種類のp53変異細胞株(グリオーマ細胞株・大腸癌細胞株・肺癌細胞株)を用い、p53依存性の発現誘導を示す遺伝子群についてマイクロアレイ法によつて解析した。p53依存性に強く発現誘導される遺伝子群を抽出し、それらの遺伝子についてDNA損傷刺激により活性化した内因性p53による発現誘導の有無をRT-PCRおよびノザンブロットにて確認した。p53依存性の発現誘導が確認された遺伝子については、さらにヒトゲノムDNAデータ・ベースから対応するゲノムDNAの塩基配列を引用してp53結合配列の有無を検索し、クロマチン免疫沈降法・EMSA法・レポーターアッセイ法によって、直接のp53標的遺伝子群をさらに選別した。グリオーマ細胞株を用いたスクリーニングにより、最終的には26の有力な候補標的遺伝子が明らかとなり、うち15遺伝子についてはすでに直接の新規p53標的遺伝子であることが証明された。同様に進められている大腸癌細胞株および肺癌細胞株を用いたスクリーニングにおいてもそれぞれのオーバーラップを除いた数で、同数程度(約20〜30)の候補標的遺伝子に絞り込まれる見込みである。最終的には既知p53標的遺伝子と併せて100近くの遺伝子が明らかとなる可能性が高い。このように、p53はかなり多くの標的遺伝子を様々な状況に応じて使い分け、その多彩な生理機能を巧妙に制御することで細胞の安全な生存を維持しているものと考えられる。最終的に出揃った標的遺伝子群とp53による制御の仕組みの解明によって、その癌抑制機序の全貌が明らかとなるであろう。 このことは、発癌機序解明において強力な手がかりを与えると考えられる。また、アポトーシス関連標的遺伝子を応用した遺伝子治療は、これまでp53遺伝子治療耐性であった癌細胞においても新しい戦略を可能にすると考えられる。
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