研究概要 |
1.IκB kinase (IKKα)のリンパ球における機能に関する解析:IKKαヘテロ変異マウスの交配により得た胎児肝細胞を放射線照射マウスに移入することにより、骨髄キメラマウスを樹立した。IKKα欠損キメラマウスにおいては、T細胞機能は正常であったが、B細胞に関しては、脾臓成熟B細胞の著明な減少とともに、アポトーシスの亢進が認められた。また、抗アポトーシス作用を有するbcl-2ファミリーの遺伝子が低下していた。Bcl-2トランスジーンの導入により、アポトーシスは回避されたが、B細胞の分化の回復は不完全であった。以上の結果から、IKKαは、末梢B細胞の増殖、分化に必須であることが明かとなった。 2.IκB kinaseファミリーメンバーIKKι,T2Kの生体での機能に関する解析:IKKι,T2K各々の遺伝子を欠損するマウスを樹立した。T2K欠損マウスは、胎生期に死亡するが、IKKι欠損マウスは、正常に発育した。現在、IKKι,T2K2重欠損マウス、および、IKKι,T2K, TNF3重欠損マウス胎児より、骨髄キメラマウスを作成中である。
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