研究課題/領域番号 |
13216069
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
南 康博 神戸大, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70229772)
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研究分担者 |
依田 成玄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70335454)
大石 勲 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50314472)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
32,000千円 (直接経費: 32,000千円)
2002年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
2001年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | リンパ球 / H-Ras / c-Myc / HIF1 / DNA損傷応答 / 癌抑制遺伝子産物 / Chk2キナーゼ / Wip1ホスファターゼ |
研究概要 |
本年度の研究においては、まず癌遺伝子産物であるH-Ras(H-RasV12)とc-Mycの協調作用を解析する目的で、これらの分子を単独あるいは両者を構成的に発現するリンパ球系細胞株を用いて、細胞接着能及び低酸素状態に対する感受性を比較検討した。その結果、(1)H-Ras, c-Myc両者を発現する細胞株においては、ラミニンの受容体であるalpha6インテグリンが(主に転写レベルでの制御により)発現抑制されており、実際ラミニン接着性が殆ど消失していること、また(2)この細胞株では、レポーターアッセイの結果HIF1の転写活性化能が顕著に亢進していること、また実際塩化コバルトにより引き起こされた低酸素状態によるアポトーシス誘導に対して耐性になっていることが見出された。次に、癌抑制遺伝子産物であるChk2キナーゼのDNA損傷時における機能を明らかにする目的で、既にyeast two hybridスクリーニングによりChk2と会合することが示唆されていたWip1ホスファターゼとChk2キナーゼとの物理的・機能的連関について、特にリン酸化・脱リン酸化による制御を念頭に置いて、細胞生物学的・生化学的解析を行った。その結果、Chk2とWip1が会合し、実際両分子が核内において共局在することが見出された。また、DNA損傷時にChk2のThr68が(ATMキナーゼまたは自己リン酸化により)リン酸化を受けることがその活性化に重要であることが知られていたが、Wip1がリン酸化を受けたThr68を脱リン酸化することが明らかとなった。さらに、DNA損傷時の細胞応答におけるChk2キナーゼの多彩な機能を解明する目的で、体系的なyeast two hybridスクリーニングを行い、Chk2と会合しうる分子として新たにPAPSS1、AF10、UMP/CMPキナーゼを同定することに成功した。
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