研究課題/領域番号 |
13216104
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
秋丸 裕司 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 先任研究員 (70241247)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / JNK / SAPK / dATF-2 / RNAi / dsRNA |
研究概要 |
放射線、紫外線やサイトカインによって活性化されるJNK(c-Jun N-terminal kinase)やp38のSAPK(stress-activated protein kinase)は、CRE(cAMP response element)を持つ遺伝子群の発現を活性化する一群のCRE結合因子CREB/ATFファミリーの一つATF-2をリン酸化し、ATF-2の転写を活性化する。ATF-2の機能を解析するため、遺伝学的解析の容易なショウジョウバエにおいて、ショウジョウバエATF-2(dATF-2)のdouble-stranded(ds)RNAを発現するDNA template(dATF-2 geneを7baseのスペーサーを挟んでinverted repaetに繋げたもの)を構築し、dsRNAを異所的に発現させて遺伝子機能を欠損させる方法(conditional RNAi)を行った。しかし、dATF-2の発現量が多いため、この方法ではdATF-2の機能を完全に欠損させることは出来なかった。そこで、胚にdATF-2のdsRNAを直接injrctionしてdATF-2の機能を調べた。ショウジョウバエJNKは胚発生期のdorsal closure(背部閉塞)という現象にJunのリン酸化を介して機能している。dATF-2とdJunのRNAiを行って、dorsal closureの異常が観察されるかどうか調べたところ、dJunのRNAiはdorsal closure defectが見られたが、dATF-2の場合はdorsal closureに異常は認められなかった。また、培養細胞を用いたdATF-2のリン酸化実験におても、dJNKはdJunを効率よくリン酸化するのに対し、dATF-2を殆どリン酸化しないことが分かった。これらの結果は、脊椎動物でのJNK-dATF-2のシグナル経路とは異なり、ショウジョウバエ胚発生ではJNKはATF-2を活性化するシグナル経路は存在しないことが明らかになった。今後、p38とdATF-2の関係を遺伝学的並びに生化学的実験により検討する。
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