研究課題/領域番号 |
13216120
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪府立成人病センター研究所 |
研究代表者 |
伊藤 和幸 大阪府立成人病センター, 研究所, 部長 (20301806)
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研究分担者 |
吉岡 潔子 大阪府立成人病センター, 研究所, 主任研究員 (40342993)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2001年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | Rho / Rho kinase (ROCK) / LIM kinase / 骨転移 / 乳がん / 細胞骨格 / ケモカイン / リンパ球 |
研究概要 |
1.ヒト乳がん細胞株の浸潤・転移におけるRho-ROCK-LIMキナーゼ系の関与について 細胞内分子スイッチであるRho-Rho kinase(ROCK)系は、がんの浸潤をはじめとする多くの生物学的機能の調節をしている。今回ROCKを分子標的とした浸潤、転移治療薬の開発を進める過程で、ROCKの下流でアクチンの重合調節因子であるcofilinのリン酸化を介してアクチン細胞骨格系をダイナミックに調節しているLIM kinase系が、ヒト乳がん細胞の浸潤及び溶骨性骨転移に深く関与していることが、がん細胞への遺伝子導入実験などから明らかとなった(発表論文1)。 又、滑膜肉腫の原因融合遺伝子であるSYT-SSXのうちSSX遺伝子が他の軟部腫瘍(骨肉腫、MFH等)に高頻度に発現していること、SSXを遺伝子導入した乳がん細胞で浸潤能が増加することを新規に見いだした。新しい分子標的としてのLIM kinaseとSSXの役割が明らかになってきており、現在LIM kinaseの特異的阻害薬のスクリーニング並びにSSXを標的とした免疫治療の構築を進めている(発表論文4)。 2.Rho-Rho kinase系のケモカイン刺激リンパ球遊走に関する作用 スペインのマドリード大学の免疫グループとの共同研究で、Rho-Rho kinase系が、腫瘍細胞のみならず、ケモカイン(SDF-1alpha)によりCXCR4レセプターを介して誘導されるリンパ球の遊走運動に、細胞骨格蛋白アクトミオシン系及び微小管のダイナミクスを制御することで関与している事が明らかとなった(発表論文3)。免疫や炎症における細胞運動にもRho-Rho kinase系が重要な役割をすることが明らかとなり、臨床応用が期待される。
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