研究課題/領域番号 |
13218039
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三木 健司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10242059)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | 遺伝子治療 / メチオニン分解酵素 / セレノメリオニン / 自殺遺伝子 / 活性酸素 / アポトーシス / bystander effect / 肝癌 |
研究概要 |
我々は、Pseudomomas putidaより、cloningした、methionine-γ-lyase (MET)を、組換えadenovirus vectorに組み込み(Ad-MET)、メチオニンの誘導体であるセレノメチオニン(SeM)の存在下に非常に強い抗癌作用を発揮することを発見した。本研究では、MET/SeMシステムの殺細胞効果のメカニズムの解明と肝癌細胞株を移植したnude mouseを用いてin vivoでの治療効果を検討した。SeMは、MET遺伝子により分解されて、methylselenolを産生する。Methylselenolは、GSHの組織内酸素による酸化作用を触媒すると考えられる。Ad-MET感染細胞はSeM存在下にsuperoxideを産生し、組織内GSHの著明な低下することが確認された。この反応で産生された活性酸素はミトコンドリアを傷害し、menbrane potentialが低下し、ミトコンドリア内のcytochrome cの細胞質内への放出が始まる。これがトリガーとなり、caspase 9、caspase 3を活性化しapoptosisを起こすことが判明した。通常、SeMのIC50は、100〜1000μMであるが、AdMET感染細胞では0.3〜5μMまで低下した。また、AdMET感染細胞と非感染細胞の共培養の実験より、わずか3%のAdMET感染細胞により80%以上の細胞が死滅した。肝癌細胞株N1S1腹膜播種モデルにおいて、コントロールウイルス投与群あるいは、SeM非投与群がすべて3週間以内に死亡したのに比べて、Ad-MET/SeM腹腔内投与群では60%のマウスが8週間以上生存した。
|