研究課題/領域番号 |
13218041
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 義久 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20302672)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 放射線感受性 / DNA二重鎖切断修復 / DNA依存性プロテインキナーゼ / XRCC4 / リン酸化 / リン酸化状態特異的抗体 / 放射線誘発細胞死 / カスパーゼ(caspase) |
研究概要 |
DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)は放射線応答において重要な役割を担うと考えられているが、「真の基質」が明らかになっていない。本研究では、DNAリガーゼIVと複合体を形成してDNA二重鎖切断修復に関わると予想されているXRCC4タンパク質に着目して検討を行った。 まず、ヒト培養細胞を用いた実験から、照射後の細胞内でXRCC4のリン酸化が誘導されること、また、リン酸化の誘導にDNA-PKが関わっていることを示した。次に、組換えXRCC4タンパク質と精製DNA-PKを用いて、DNA-PKがXRCC4を直接にリン酸化できることを示した。更に、種々の解析(ホスホアミノ酸分析、caspaseを用いたペプチドマッピング、抗体エピトープマッピング、アラニン置換体作製等)により、3ケ所のリン酸化部位を同定し、リン酸化状態特異的抗体を作製した。ELISA法により特異性の確認を行ったところ、これらの抗体は目的のリン酸化ペプチドには反応したが、非リン酸化ペプチドや別のリン酸化ペプチドにはほとんど反応しなかった。組換えXRCC4にDNA-PKを作用させた後、これらの抗体を用いてウエスタンブロッティングを行うと、各部位でのリン酸化が見られた。また、それぞれのリン酸化部位のセリンをアラニンに置換した変異体には反応しなかった。これらの結果から、これらの部位が少なくともin vitroではDNA-PKによってリン酸化されること、また、作製した抗体がそれぞれ目的部位のリン酸化状態に特異的に反応していることが確かめられた。今後、これらの抗体を利用し、細胞内でのリン酸化状態について解析を行う予定である。 また、以上の検討を行う中で、XRCC4が放射線誘発細胞死の過程で、caspase-3,7様のプロテアーゼによって切断を受けることも見出し、切断部位も明らかにした。
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