研究課題/領域番号 |
13218042
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新家 一男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20251481)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
キーワード | Telomestatin / テロメア / テロメラーゼ / G-quadruplex / 細胞老化 / リアゾリン環 / ALT / オキサゾール環 |
研究概要 |
我々の見出した、極めて強力かつ特異性の高い新規テロメラーゼ阻害剤telomestatinの詳細な活性発現メカニズムの解析を行ったところ、本化合物はテロメラーゼそのものに作用するのではなく、G-quadruplexと呼ばれる特異的なテロメア構造を認識することによりテロメラーゼ阻害活性を示すことが明らかとなった。ごの結果に基づいて、コンピューターシミュレーションを行った結果、この結合にはtelomestatinに存在するチアゾリン環のイオウ原子が水素結合を介して重要な役割を果たしていることが示された。Telomestatinは、通常の分裂回数から推定されるテロメア短縮よりも早期にテロメア長の短縮を誘導する。本活性発現機構は不明であったが、telomestatinがテロメア構造に作用することで論理的に説明可能となった。また、癌細胞の中にはALT(Alternative Lengthening of Telomere)と呼ばれるテロメラーゼ非依存性の機構によりテロメアを維持する癌細胞が存在する。これらの癌細胞は、染色体外に存在するECTR(Extra Chromosomal Telomere Repeats)と呼ばれるDNA断片をhelicaseおよびRad54のような酵素を用いて本DNAをテロメアに結合させ伸長させる。TelomestatinはALT癌細胞のテロメアの短縮を誘導したが、これはECTRが通常のテロメア配列と同じTTAGGGからなるため、telomestatinはECTRにも結合し、helicaseなどの酵素を阻害するためと考えられる。さらに、各種誘導体の調製を行う中で、合成中間体が活性を維持していることを見出した。また、本活性発現機構に基づいて、副作用軽減および活性増強を目的とした誘導体合成を行っている。
|