研究課題/領域番号 |
13218055
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
谷口 俊一郎 信州大学, 医学部, 教授 (60117166)
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研究分担者 |
竹岡 みち子 信州大学, 医学部, 助手 (30197280)
相良 淳二 信州大学, 医学部, 助教授 (10225831)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2001年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | カルポニン / カルポニン欠失 / 腹膜中皮細胞 / CN遺伝子導入 / 腹膜播種の遺伝子治療 |
研究概要 |
Calponin h1(CN)は通常平滑筋に強く発現するactin結合蛋白質で、細胞の増殖、運動、接着性を調節することが知られている。カルポニン欠失(CN^<-/->)マウスの血管と腹壁は野生型(CN^<+/+>)マウスに比べ脆弱であり、(CN^<-/->)マウスの腹膜にB16F10 melanomaをi.p接種したところ腹膜播種が顕著であることを報告した。13年度研究の目的は腹膜中皮細胞のCN低下による癌細胞浸潤の増強をin vitro実験において示すこと、またCN^<-/->マウスの中皮細胞にCN遺伝子を導入し、癌細胞が浸潤できるか否か調べ、腹膜播種の遺伝子治療の可能性を検討することであった。 得られた成果 1)CN発現がヒト悪性腫瘍部の血管で減少していること、CN^<-/->マウスの血管および腹膜が脆弱であること、CN^<-/->マウスにおいてB16-F10(F10)による血行性転移および腹膜播種が亢進していることを報告した(Cancer Res,2001)。 2)CN^<+/+>及びCN^<-/->マウスの腸間膜から中皮細胞を培養しそこへF10を重層してその浸潤能を観察した。その結果、CN^<+/+>に比べCN^<-/->中皮細胞への癌細胞浸潤が亢進していた。またCN^<+/+>中皮細胞においてF10の浸潤に先立ってCN蛋白質の発現低下が抗CN抗体による免疫染色で観察された。以上から、CNは中皮細胞間の接着性を正に制御し、癌の浸潤を抑制することが示唆された。 3)CN遺伝子を導入したadenovirus vector(CN-GFP Ad)を構築し、CN^<-/->マウス培養中皮細胞に感染させた。そこへF10を重層したところ、重層培養後6hr経過してもF10の中皮細胞層への浸潤が認められなかった。 4)CN-GFP Adをi.p接種したところ、CN^<-/->マウスの腸管膜表面の中皮細胞への導入を確認し、腸管の癒着等副作用はみられないことが分った。
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