研究課題/領域番号 |
13218070
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 健彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20220957)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | アンチセンス分子 / ガン特異的 / 機能制御 / pH制御 / m-RNA / p53 / PRNA / 遺伝子情報発現制御 |
研究概要 |
本研究は現在次世代の遺伝子治療として注目されている「見えないガンに対する遺伝子治療法」に資するため、「ガン細胞特異的に抑制機能を発現する次世代のアンチセンス分子の創製」を目指し、私が提案しているアンチセンス機能の積極的な動的制御機能を有するペプチドリボ核酸(PRNA)を用い、ガン細胞内の低pHを外部因子としガン細胞でのみアンチセンス機能を発現する次世代のアンチセンス分子開発に関する検討を行った。 ペプチドリボ核酸(PRNA)のモノマーのN末をFmoc化することにより固相合成法への適用を可能とし、半自動固相合成機によりp53ガン抑制遺伝子変異型の変異領域12塩基配列をターゲットとしたPRNA12量体を合成し、ホウ酸エステル形成に伴うコンホメーション・塩基配向制御についてUV・CD・NMR NOEスペクトルにより検討した。通常のリン酸緩衝液中では天然核酸と同じくanti配向を優先するのに対し、0.2mMのホウ砂を添加することにより効率よくsyn配向に配向変化し、外部因子による塩基部配向制御が可能であることが明らかとなった。さらにターゲットRNAとの相互作用をUVスペクトルの連続変化法により検討した結果、1:1の安定な錯体を形成することが明らかとなった。錯体の安定性について融解温度(Tm)を指標として検討した結果、p53変異型をターゲットとしたPRNA12量体はpH7.2では天然型の相補的なDNA・RNA錯体のTmより15℃も安定な錯体を形成することが明らかとなり、35℃においてはp53正常型とは錯体を形成しないことも示されPRNAがガン遺伝子をターゲットとしたアンチセンス分子として優れた特性を有することが明らかとなった。さらに系のpHを6.2に調整すると全く錯体を形成しないことが明らかとなり、pHによりアンチセンス機能のon-off制御が可能であることを実証した。
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