研究課題/領域番号 |
13218080
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒田 俊一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60263406)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / DDS / 非ウイルスベクター / 癌治療 / 細胞特異的送達 / 組織特異的送達 |
研究概要 |
本研究では、高い細胞及び組織特異性を有し、極めて高い遺伝子導入効率を有するウイルス感染機構を応用し、かつ、ウイルスゲノムを完全に排除した副作用の危険性が低い遺伝子導入法を開発することを目的としている。 (1)組換え酵母によるHBsAg (B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)粒子)の大量生産:ヒト肝臓に対する特異的レセプターを有するHBsAg Lタンパク質粒子を酵母で大量に生産する方法を確立した。 (2)同粒子を用いるヒト肝臓癌由来培養細胞への遺伝子導入:エレクトロポレーション法により粒子内部にGFP(緑色蛍光タンパク質)発現遺伝子を封入し、ヒト肝癌由来細胞HepG2に添加したところ、リポフェクタミン法よりも百倍以上高い効率で、ほぼ全ての細胞に遺伝子を導入した。 (3)同粒子を用いるヒト肝臓癌を接種したヌードマウスへの遺伝子導入:ヒト肝臓癌由来細胞HuH-7とヒト大腸癌由来細胞WiDrを接種したヌードマウスにGFP発現ベクターを含む同粒子を腹腔内投与したところ、ヒト肝臓癌由来固形癌部にGFPによる蛍光が認められた。一方、マウスの通常臓器、及びヒト大腸癌由来固形癌部には全く蛍光は認められなかった。 (4)同粒子を用いるヒト肝臓癌を接種したヌードマウスにおける遺伝子治療:最近では、本粒子内部にHSV由来チミジンキナーゼ遺伝子を包含し、ヒト肝臓癌を移植したヌードマウスに静脈注射し、ガンシクロビルを経口投与することで、移植ヒト肝癌特異的な増殖抑制効果を観察することができた。 以上の結果から、本粒子を用いた遺伝子導入方法は、高い細胞及び組織特異性を有し、極めて高い遺伝子導入効率を有するウイルス感染機構を応用し、かつ、ウイルスゲノムを完全に排除した副作用の危険性が低いと考えられた。
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