研究課題/領域番号 |
13218107
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
|
研究分担者 |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
宮本 洋一 熊本大学, 医学部, 助手 (20295132)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | ヘムオキシゲナーゼ-1 / 抗酸化酵素 / ZnプロトポルフィリンIX / ヘムオキシゲナーゼ阻害剤 / 抗腫瘍効果 / アポトーシス / ポリマー結合ZnプロトポルフィリンIX / NO |
研究概要 |
これまで、固形腫瘍において産生されるNOにより抗酸化酵素であるヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)が、高度に誘導され、腫瘍の増殖を支えていることが分かってきた。さらに我々は、HO-1の競合阻害剤であるZnプロトポルフィリンIX(ZnPP IX)が、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し腫瘍増殖を抑制することを明らかにしてきた。しかしながら、ZnPP IXは水に難溶でその使用において大きな制限があった。そこで今回、ZnPP IXに水溶性高分子化合物であるポリエチレングリコール(PEG)結合させ、新規水溶性PEG-ZnPPを作成しその抗癌作用を検討した。HO-1高発現腫瘍であるマウスS-180固型腫瘍モデルにおいて、PEG-ZnPPの血中半減期が延長し腫瘍内への選択的集積することにより腫瘍組織のHOが強く抑制された。また、PEG-ZnPPの静脈内投与により、腫瘍細胞のアポトーシス誘導を介した顕著な腫瘍増殖抑制効果が確認された。尚、この際、肝障害や骨髄抑制など明かな副作用は認められなかった。以上の結果により、PEG-ZnPPがHO-1を選択的に抑制し、酸化ストレスの増強、アポトーシスの誘導を介して抗腫瘍作用を発揮することが明かとなった。今後さらに、本薬剤の抗腫瘍活性の選択性・生体親和性や細胞毒性の発現メカニズムを解析することにより、HO-1という新たな分子を標的としたがん化学療法の可能性について検討していく予定である。
|