研究課題/領域番号 |
13218112
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松永 卓也 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70260768)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2001年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 急性白血病 / ストローマ細胞 / 細胞接着 / 抗癌剤耐性 |
研究概要 |
急性骨髄性白血病(AML)の再発が骨髄から起こる事実をもとにして、癌細胞は正常細胞と同様に、組織ではアポトーシス(アノイキス)を起こし難くなるという仮説を立てて研究を行った。 その結果、 (1)患者AML細胞は、その細胞表面に発現しているβ1-インテグリンを介して、骨髄ストローマ細胞の細胞外マトリックス(ECM)であるフィブロネクチンと接着する事により、アノイキスを起こし難くなり、更に抗癌剤(DNR,AraC)によるアポトーシスから回避しやすくなった。 (2)アノイキス回避の機序について検討したところ、β1-インテグリンであるVLA4を介したフィブロネクチンとの接着により、AML細胞内のBcl-2の発現が亢進し、caspase9とcaspase3の活性化が抑制された。 (3)VLA4を発現しているAML患者群の化学療法後の予後が、VLA4陰性AML患者群のそれに比べて有意に不良であることも見い出した。即ち、24人のde novo AML患者の内、15人のVLA4陽性患者の完全寛解率は60%であり、9人のVLA4陰性患者のそれ(100%)に比べて有意に不良であった(P=0.028)。Kaplan-Meier法を用いた予測5年生存率も、VLA4陽性患者群では25%であり、VLA4陰性患者群のそれ(100%)に比べて有意に低値を示した(P=0.02)。 以上の結果から、 VLA4の発現が化学療法施行後のinitial drug resistanceと骨髄の微少残存病変の原因となり、再発に寄与する事が示唆された。
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