研究課題/領域番号 |
13218115
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
河野 健司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90215187)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 非ウイルスベクター / 膜融合 / ナノバイオ / リポプレックス / pH感受性リポソーム / 遺伝子デリバリー / 生体材料 |
研究概要 |
リポプレックスは非ウイルスベクターとして広く用いられているが、その遺伝子導入活性は不十分である。これは、細胞に取り込まれたリポプレックスの大部分がリソソーム内で分解されるからである。従って、リソソームによる分解を逃れて、細胞内に遺伝子を移行させる能力をベクターにもたせることが高い遺伝子導入活性を実現するためのキーポイントとなる。そこで本研究では、エンドソームとの融合によって遺伝子を細胞内に導入する新しいタイプの非ウイルスベクターとして、酸性で膜融合性となるサクシニル化ポリグリシドール(SucPG)修飾リポソームとリポプレックスの複合体(SucPG複合体)を設計した。ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロールやジオクタデシルアンモニウムブロミドを用いてリポプレックスを調製し、これを種々の量のSucPG修飾リポソームとインキュベートすることによって、種々の組成のSucPG複合体を調製した。これらの複合体によるHeLa細胞やK562細胞へのルシフェラーゼ遺伝子の導入について調べた結果、正に帯電したSucPG複合体はリポプレックスに比べ、約2倍高い遺伝子導入活性を示したが、負に帯電したSucPG複合体は、低い活性しか示さなかった。一方、SucPG複合体にトランスフェリン(Tf)を結合したところ、遺伝子導入活性が顕著に増大した。特に負に帯電したTf結合SucPG複合体は、細胞膜上のレセプターとの特異的な相互作用によって標的細胞に取り込まれ、効率よく遺伝子を導入した。さらに、Tf結合SucPG複合体は血清により失活せず、カチオン性リポソームよりも毒性が低いなどの優れた特長を持つことが明らかになった。
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