研究課題/領域番号 |
13218120
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 講師 (80272821)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | NK細胞 / NKT細胞 / T細胞 / TRAIL / MCA / p53 / α-galactosylceramide / IFN-γ |
研究概要 |
NK細胞やNKT細胞は、発癌や転移に対する免疫監視機構に重要であると考えられているが、その活性化機構およびエフェクター機能分子に関しては未だ不明な点が多い。これらの細胞の標的細胞の傷害機構、および腫瘍特異的免疫機構を担うT細胞との相互作用を明らかにし、腫瘍に対する免疫監視機構の解明を行うべく研究を行った。 その結果、腫瘍特異的にアポトーシスを誘導することが知られている、TNF-related apoptosis-inducing ligand(TRAIL)が、転移のみならず、メチルコラントレン(MCA)およびp53の変異による発癌に対してもサーベイランス効果を有しており、これがNK細胞およびIFN-γ依存的に発揮されていることを明らかにした。さらに、IFN-γにはMCAにより誘導された腫瘍のTRAIL感受性を上げる作用があることも示した。一方、T細胞による腫瘍特異的免疫の誘導を、NK細胞からのIFN-γ産生を誘導することにより促進できることも明らかにし、innate immunityによる腫瘍監視機構の強化が、acquired immunityによる腫瘍特異的な免疫機構を活性化し、腫瘍拒絶能を増強することも報告した。さらに、NKT細胞の特異的リガンドであるα-galactosylceramideの投与による抗腫瘍活性の誘導は、主にNK細胞の活性化を介して発揮されており、それはパーホリン依存的な細胞傷害活性ではなく、IFN-γを介した何らかの機序に寄ることを明らかにした。これらの結果により、NK細胞およびNKT細胞を中心としたinnate immunityによる腫瘍監視機構の一端が明らかにされ、この活性化がT細胞による腫瘍特異的な免疫反応を強化すること、さらにこれらの細胞の相互作用による腫瘍の拒絶にIFN-γが重要であることが明らかにされた。
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