研究課題/領域番号 |
13218143
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
葛西 正孝 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究員 (10142134)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 細胞分裂 / 染色体分配機構 / マイクロチューブル |
研究概要 |
(1)Translin蛋白の過剰発現によるDNA合成と細胞分裂の促進 培養癌細胞株におけるTranslin蛋白の発現を詳細に観察する過程で、Translin蛋白の発現と細胞分裂速度が密接に関連していることを明らかにした。 更に、Translin蛋白をtetracycline存在下で過剰発現させることのできる細胞株を樹立した。その結果、Translin蛋白の過剰発現によって細胞分裂が顕著に促進されことを明らかにした。 また、Translin蛋白の過剰発現に伴ってBrdUの取り込みが促進された。このことは、Translin蛋白が、細胞分裂のみならず、DNA複製反応にも係わっていることを示している。 (2)Translin蛋白の染色体分配機構における役割 共焦点顕微鏡を駆使した解析によって、Translin蛋白の細胞分裂における役割を明らかにした。 その結果、Translin蛋白が細胞分裂前期のcentrosome(中心体)、中期のspindle fiber(紡錘糸)、後期、終期のmidbodyに局在することを明らかにした。この事実は、Translinがmicrotubuleと関連していることを示唆しているので、免疫沈降法によって解析した結果、α,γ-tubulinと特異的に結合することが明らかとなった。 (3)新規Helicase様蛋白としてのTranslin 蛋白の高次構造解析から、Translinがリング状Helicaseに類似していることを明らかにした。しかし、Translinはrecombination/repair蛋白、Rad52と同様にATP結合部位をもたず、他のリング状蛋白と比較してアミノ酸配列に類似性も認められない。この事実は、Translin蛋白が他のHelicase蛋白とは独立した過程を経て進化し、最終的に共通のリング状高次構造に収斂したことを意味している。
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