研究課題/領域番号 |
13220010
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河野 道生 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161343)
|
研究分担者 |
石田 禎夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20305220)
津山 尚宏 山口大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10335747)
石川 秀明 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40294623)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2001年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | 骨髄腫 / 良性M蛋白血症 / M蛋白血症 / 未熟型形質細胞 / 表面抗原解析 / MPC-1 / 形質細胞分化 |
研究概要 |
中国骨髄腫研究会に参画している病院診療科(山口県立中央病院血液内科、広島赤十字原爆病院第4内科等)でinformed consentの得られる骨髄腫および良性M蛋白血症(BMG)の患者を登録し、診断時および骨髄穿刺施行時の臨床データを取りまとめた。骨髄腫に関しては、原則的に統一した化学療法プロトコールで治療した。骨髄腫患者68例、BMG25例につき検討した。骨髄腫の前癌病変BMGから骨髄腫への進展の予測および進展に関する機序を明らかにする目的で、骨髄穿刺液中の形質細胞亜群の解析を行った。骨髄腫症例での進展増悪では、明らかに未熟型形質細胞(骨髄腫細胞)(MPC-1-CD49e-)の増加が認められた。BMG症例でも、その進展には未熟型形質細胞の増加が見られた。つまり、骨髄腫の前癌病変BMGから骨髄腫への進展には、未熟型形質細胞の増加が関与しており、進展予測のパラメーターとして実際の臨床上極めて有用であることが明らかにされた。未熟型形質細胞(骨髄腫細胞)の中で増殖因子IL-6に反応して増殖する細胞亜群はMPC-1-CD45+CD49e-未熟型形質細胞であることから、今後はこのMPC-1-CD45+CD49e-未熟型形質細胞がIL-6に反応して増殖する機構およびいかなる遺伝子発現の誘導があるのか等を明らかにする必要がある。未熟型形質細胞が増加するには、一つには骨髄中のIL-6に反応して増殖するMPC-1-CD45+CD49e-未熟型形質細胞が増加することが必要であろうし、骨髄内の増殖因子IL-6の量が増えることも一つにあるであろう。後者に関しては、慢性炎症、骨折などによるIL-6の増加が想像される。このような病歴が進展増悪した骨髄腫あるいはBMG症例で認められたかどうかも今後明らかにしてゆかなければならない。
|